ゴール


オーディオのゴール

安価な機械から「驚くほどよい音」を出せる人もいれば、高価な機械から「つまらない音」しか出せない人もいる。高価なシステムを聴いても、全く感動しない人もいれば、ラジカセから流れる音楽に涙する人もいる。オーディオから「出せる音質」のすばらしさ、オーディオから「受けとれる感動」の大きさは「価格」に比例するのではなく「人の感性の豊かさ」と比例する。

 「音楽」を聴きたいのなら「コンサート」に行けばよい。「音楽」を演奏したいなら「楽器を習え」ばよい。しかし、それは誰にでもできることではない。「オーディオ」は、音楽を演奏できない人の「音楽の表現手段」であり、音楽を演奏できなくても「奏者と同じように音楽に携わることを可能にする」素晴らしい「道具」なのだ。

 「人の感性」は、「金」では買えない。一朝一夕にも磨かれない。水のしずくが岩に穴を穿つように「長い時間」続ける気力と努力のみが「感性」を熟成する。 「オーディオ」は難しく「無駄」も多いが、その「難しさ」や「回り道」が「あなたの感性」を磨く。

「オーディオ」を通じ「音」や「音楽」を考えること。「音」や「音楽」を「媒介」として「多くの人と交流」することが「あなたの感性」を磨く。

様々な機器を試し、様々なセッティングに挑戦することが「あなたの感性」を磨く。「近道」はない。 「強すぎる主観」は「あなたの感性」を曇らせる。常に「謙虚」で「客観的」であることが大切だ。学ぶ心を忘れてはいけない。

「失敗」から学ぶことが「あなたの感性」を育む。「継続する気力」が「あなたの感性」を育む。「音」と「音楽」を心の外に解き放つことが「あなたの感性」を育む。投げ遣りになってはいけない。諦めずに継続することが大切だ。 

あなたの「音」が誰にでも分かるようになったとき、誰もの「音」があなたに分かるようになったとき、あなたの「感性」はきっと本物になる。

 「音」は世界に通じる。「音楽」は世界に通じる。「芸術の真理」は、世界に通じる。「オーディオ」を通じて「フェアな感性」を身につけること、それを学ぶことが「オーディオ」という「趣味」の目的であり、ゴールである。それ以外はない。詰まるところ、オーディオは「大人になるための趣味」なのだ。

オーディオファンよ胸をはろう!私たちは素晴らしい趣味を知った。「音」を知り、「音楽」を知り、「人」を知る。「人生」を深く、実りあるものにする。そのために「オーディオ」は「なくてはならないもの」なのだから。

2004年2月9日 逸品館・代表取締役 清原 裕介


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