プリメインアンプ

INTEGRATED/TYPE-1.spec99/REV.B

生産完了モデル

商品名 定価(税別) バージョンアップ
TYPE-1.spec99/REV.B
\1,200,000
X

TYPE−1の成り立ち

音楽信号を増幅しスピーカーを駆動するためのアンプには何を求めればよいのでしょう。結論を先に述べれば、それは「ゲイン・オブ・ワイヤー=色を付けない増幅回路」です。微少レベルの音楽信号(CD出力レベルを示します)を色づけなく増幅し、スピーカーを正確に駆動することが最も大切です。
音楽信号を「情報」と考えれば、「情報伝達経路=受け渡し経路」がシンプルであればあるほど「情報の欠落(劣化)」を起こさずにすみます。増幅回路では、「その受け渡し」役は「個々のパーツ」に相当します。 「経路を単純化する=パーツを少なくすること」と「パーツの質を上げる=情報欠落(劣化)のより少ないパーツを選ぶこと」が、「情報欠落の少ない=音楽を損ねないアンプ」の設計で最も重視すべき要素です。
このような視点から見れば、CDを聞くときにアンプをセパレートにするのは不適切です。なぜなら、CDからの出力も、プリアンプからの出力も「レベル=音の大きさ」は同一。わざわざ信号を増幅して絞るよりも、余分なパーツ・接点の集合体ともいえる「プリアンプ」を介さず、「出力を絞る=音を下げる」最もシンプルな「可変ボリューム」をパワーアンプに設ければそれで良いはずです。 INTEGRATED/TYPE1は、そのように設計されていますので本当の意味では「プリメインアンプ」ではありません。正確には「可変ボリューム・セレクター内蔵・パワーアンプ」と呼ぶべきかもしれません。
「CDからの信号を正確に受け取るため」、TYPE1では「音質劣化の非常に少ない、通信器用カーボン抵抗器」を「特別仕様として注文生産」して使用しています。この抵抗器は「比較的誤差が大きい」ため、一般に高級アンプに使用されることが少ないのですが、逆に「接点の面積=作動部の接触面積」が大きいため、他の高級ボリュームと比較して「音質的には有利」なのです。
次に、信号は電圧増幅段に導かれますが初段に、電圧オフセットに強い「MOS-FET」を使うことで、「カップリングコンデンサー」を排除しています。ここから先の回路も「信号経路にコンデンサーを全く(一つも)使用しない」、DC回路となっています。
パワーアンプとして、最も重要なことは「スピーカーを瞬時に駆動(動かして)、瞬時に制動(止める)する能力」です。そうしなければ、音の立ち上がりが遅れ「音楽の緊張感」が殺がれたり「楽器の音の区別が付かなく」なって「音が団子になり」広がらなくなったりしてしまいます。
現在市販されている「どのパワーアンプ」よりも、TYPE1は、「その能力」が優れているのです。スピーカーを瞬時に駆動し、制動できる利点はそれだけではありません。
聞いて分かるのは、「ものすごくソリッドで伸びた低音」が出ることや「音が大きくなるとき、音楽のエネルギーもそれにつれて伸びやかに大きく」なることですが、それ以外に「スピーカー固有の音質の癖」が「増強」されていることに気付かれるはずです。各ユニットを、正確に駆動・制動することで「ユニットとエンクロジャーの鳴き」が分離されるからです。TYPE1と違い、TYPE1.spec99は「スピーカー」を選びます。しかし、極限性能をするために「妥協を廃し、割り切った選択」を行いました。
「TYPE1.spec99の最高性能」を発揮するためには、それに見合うスピーカーを選ぶ必要があるのです。しかし、「良いスピーカー」とのマッチングを得たとき、楽音の「立ち上がり」と「立ち下がり」が素早く、よけいな音を付けないことで、音楽がどれほど輝きを増すかこのアンプでのみ御体験いただけるはずです。
その実現のために投入されたパーツは、「今までのどのような高級アンプ」にも、「価格を理由に絶対採用されることがなかった」高品質で、高額なパーツばかりです。例えば、電源整流用のブロックコンデンサーには、その部分だけで10万円以上支払わねばならないパーツが使用されていますし、ダイオードにはノイズのでない「金属ダイオード」を使用するなど、そのほかの部分にも当然、「価格を全く無視した高音質パーツ」が投入されています。
固定抵抗は、「アメリカ軍用特殊カーボン抵抗」を使用していますが、このパーツなどは「戦争の勝ち負け・人の生き死に」を左右する「軍用通信機」のために開発されたパーツです。つまり、「パーツの性能=人の声がきちんと聞こえなければならない」が悪ければ、「オーディオ機器の設計不良」とは比べものにならない損害をもたらすのです。それだけの責任と信頼をもって開発され、「寸分違うことなく生産されることを要求される」、「軍用パーツ」の音質が信頼できないはずはありません。
性能のみを追求し、10年以上絶対に色あせることのない音質と、通常のアンプに比較して著しく劣化のないパーツで組み上げられた「TYPE1.spec99」は、まさに「金に糸目を付けない製品」という言葉がふさわしく、長期間のご愛用に耐える製品であると自負しています。

REV.Bへの進化

2000年末に、97年に発売開始、99年に一度改良されたTYPE1のすべての部品について再検討を加え更なる次元に音質を高めました。その音質改善は、単なるマイナーチェンジの枠を遙かに越えています。 揺るぎなき低音部から、突き抜けるような高音部までスピーカーユニットを完璧に駆動・制動しきる実力は、あえて言うまでもなく「世界最高のアンプ」と断言できるレベルに仕上がっています。
音質的な素晴らしさもさることながら、特筆すべきはその「混じりけのない純粋な音楽性」にあります。
従来、日本製アンプは「物理特性は素晴らしいが、音楽的には見るべきものがない」と言われ続けてきましたが、このアンプの音質をお試しいただければ「それは大きな誤り」であるとご理解頂けるであろうと思うのです。
日本人は「儒教」の影響を大きく受け、「礼節」を知る素晴らしい文化を継承しています。四季を知り、自然に美を感じ、我々の中に息づくその細やかな感性は、世界にあっても非常に優れた特色であるとさえ感じます。
日本の風土、日本人の感性に適した製品は日本で生まれるべきです。その熱い情熱のもと、一切の妥協なく育まれ、さらに二年の熟成期間を経て煮詰められた製品。世界で最高のエレクトロニクスの水準を持つ[AUTHENTIC]により生産される製品。二つの豊かな土壌に培われ、新たに生まれ変わって登場した「SPEC99」は、今世紀のオーディオの歴史を飾るにふさわしい最高のアンプです。
誰もが手にできる価格ではありません。なぜなら、最高の名にふさわしい製品にのみ、最高の価格が許されているのですから。

音質ポイント

低域から高域までよけいな付帯音を一切つけずに、スピーカ ーを鳴らし切ることができます。
音のキメが限りなく細かく、純度と透明感に優れるため、音場 空間表現、楽器の躍動感を、余すことなくリスニングルームに 再現します。
「テラ」と比べると音の立ち上がりの早さや生々しさではインバーター電源を実用化している「テラ」が勝りますが、車でいう大排気量的な安定感や、音の厚み等の点では「TYPE1」 が勝る部分も多く、一概にどちらかに軍配を上げることは難しいようです。ただ、大音量で音を浴びるように聴くためには パワーが最大320W以上ある「TYPE1」が必要です。

技術ポイント

コンデンサー・抵抗・ボリューム・などに最高品質パーツを投入。増幅回路・電源回路の電解コンデンサーはすべて、ブラックゲートの最高グレードを使用。抵抗は、アメリカ軍が使用している特殊カーボン抵抗を採用。他メーカーの最高級アンプに比較して3−5倍のコストが掛けられています。
音質に関係するすべてのパーツの種類と次定数の決定は、厳密なヒヤリングにより、一カ所ずつ丹念に聴きながら作り込みました。仕上げも含め、本当に手の掛かったハンドメイドモデルです。
内部配線材にS/Aラボの最新モデルを使用し、電源ケーブルを着脱式に変更。ボリュームつまみも無垢の削りだしとし、外観・マテリアルも最高級アンプにふさわしい材質品を採用しています。

仕様

  • 定格出力 :160W(3Ω) / STEREO : 60W(8Ω) / STEREO :320W(6Ω) / BTL(MONO)
  • 全高調波歪率 :0.01%(20Hz-20Kz/3Ω/定格出力)
  • 混変調歪率 :0.01%(定格出力)
  • 周波数特性 :5Hz-300KHz(+0,-3dB)
  • スルーレイト :120V/μsec.
  • S/N比 :110dB
  • 入力感度 :LINE1.2.3.4.5 / 1V・0.3V(18KΩ) :BTL(CANNON)/0.5V(18KΩ)
  • 消費電力 :290W(電気取締法)
  • 寸法/重量  :438(W)×183(H)×438(D)o/33s

オーディオEXPO98にて

 


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