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スピーカー音質改善のための位置調整法(完全版)

STEP1・音を聞きながらスピーカーを動かす

では実際にスピーカーの置き場所を少し変えて、壁や床天井などからの反射音の干渉を整え、音を良くしましょう。まず、「ホワイトノイズのテスト音源」を用意してください。(AUDIO TEST CD-1 / YDDS-2がお薦めです)
「ホワイトノイズ」が手元にない場合には、「ラジオなどのザー音」や「ピアノのソロ演奏のソフト」などが代用できます。ピアノのソロ演奏が代用に適しているのは、ピアノの音が「ノイズ成分を多く含み、弦楽器のように明確な倍音構造をもたない」ためと、ソロ演奏だと音源の位置が明瞭(一つの場所から音が出ている)だからです。
まず片側のスピーカーから「ザー」音を流し、スピーカーの位置を変えながらその音の変化を聴いてください。スピーカーの角度をほんの少し変えても、位置をほんの数o、あるいは数p動かしても、ノイズの「音質」が大きく変わるはずです。(この時、一度にスピーカーを大きく動かしすぎないように注意してください。)
ノイズの音が「濁った音が混じったモーやジャーという音」から、「濁りの少ないサーやシャー音」に変わってきたら、それは悪い干渉が減って音が良くなってきた証拠です。音源にピアノを使用する場合には、「響きの濁りが減少し、タッチの強弱がハッキリする」ように聞こえるようになるとスピーカーの位置が良くなったと判断できます。さらにスピーカーを動かし続けると「再び音が悪くなる」のがわかるはずです。「音が良くなる位置」と「そうでない位置」は、「周期性」を持っているのです。(浴槽の実験と同じです)
この調整を順番に左右のスピーカーで行えば、音場の濁りが激減し「楽器の分離が向上、低音や高音がハッキリと聞きとれる」ようになります。この方法は、ラジカセやミニコンポはもちろんのこと、パソコンやカラオケのスピーカーの設置位置を決める場合にも応用できます。ノイズのような音を出しながら、その音が「澄んで聞こえるよう」に音源の位置を調整するだけで、明瞭度が高まり、聞き疲れがしなくなるはずです。特に一度設置すると位置が変えられない「天井付けのスピーカー」などの設置時には、是非この調整を行うことをお薦めします。
さらに完璧な位置調整を望まれる場合には、「ホワイトノイズ」に加えて「モノラル録音のソフト」を交互に使用します。(モノラル録音のソフトがない場合には、ステレオ録音の片チャンネルを左右に使用してもよい)同一音源を再生することで、左右のスピーカーの音色がかなり違うことに気がつくはずです。それは「スピーカーそのものの音質が違っている」のではなく「周囲の環境(壁や天井などの反射音)を含めた音色が左右で異なっている」ためなのです。「左右で再生される音が聞き分けられないほど同じ音色になる」まで根気よく、左右のスピーカーのベストポジションを探ってください。(馴れれば、モノラル録音の楽器のソフトだけでも調整は可能です)
そして、ほぼ納得できたら「聞き慣れたお気に入りのソフト」を再生してください。きっと、調整前後の音質変化にすごく驚かれると思います。この調整による改善効果は、それほど大きく誰にでも確実に感じ取れるのです。

STEP2・レーザーセッターで位置を追い込む

ここまでは「耳だより」で音質を改善しました。では、さらに「AIRBOW・レーザーセッター」の助けを借りてさらなる音質改善にチャレンジしましょう。
スピーカーには指向性があるため、浴槽での実験のように波(音)が均一に広がりません。左右のスピーカーの相関位置関係を調整していない場合、左右の音が綺麗に重ならず「音が平面的になる」・「音の分離が悪い(音が濁ってしまう)」・「空間の見通しが悪い」などの問題が生じます。(下図左列)レーザーセッターを使って調整すると、左右の音が綺麗に重なり「音が立体的で生々しくなり」・「楽器の分離感や定位感、音場の見通しが改善」され「音楽の躍動感が飛躍的に向上」します。(下図右列)
レーザーセッターによる調整では、曖昧さやいい加減さは一切なく「誰が何時どこで行っても一定以上の効果が保証」できます。また「調整を単純に聴感だけで行うに非常に強い作用を与えます。くれぐれも注意しなければいけません。
まず、今のスピーカーの位置を床にテープを貼るなどの方法で「必ず正確にマーキング」します。そして、そのマークの位置から一度に大きくスピーカーを動かさないように注意しながら、[1]と[2]が両立し、さらに左右のスピーカーで別々にモノラル演奏を聞いたときの音が「ほとんど同じ」に聞こえるように、スピーカーの位置を追い込むのです。
この時、スピーカーの移動に「カイザーゲージ」を併用すると面白い結果が得られるかも知れません。私はまだ実験していませんが、「マークの位置」からスピーカーを動かすときに「カイザーゲージの周期性」を使用して「波動の谷(音が重く感じられる位置)」と「波動の山(音が生き生きと感じられる位置)」を「見いだす」事ができれば、それ以後のスピーカー位置調整の「試行錯誤の時間」が一気に減少する可能性があります。また、「カイザーゲージを使う」ことでそれまでは発見できなかった「さらなるベストポジションを発見」できるかも知れません。調整の初期の段階から「カイザーゲージ」を利用しても良い結果が得られるかも知れません。ただし「数字だけを信じて聞くことを怠る」ことだけは絶対にやめて下さい。「絶対的な指標となる数値が存在しない」以上、「実際に音を聞いて確かめる」のが、原始的に感じられても最も理に適った方法なのです。

STEP3・さらなる微調整を行う

しかし、STEP[2]でレーザーセッターを使用すると[1]の調整で決めたスピーカーの位置や角度を変えてしまうため、[1]の調整が「完全に有効ではなくなって」しまいます。そこで、さらに完全な改善を望まれるなら面倒でも[2]の後に[1]をもう一度行い、その後にまた[2]を・・・というように、[1]と「2」の調整を繰り返しながら、小刻みにスピーカーの位置を変え[1]と[2]が両立する「最良の妥協点」を見いださなくてはなりません。この作業が非常に大変なのは、よくわかります。しかし、残念ながら今のところ、一気に[1]と[2]を両立させる方法は見つけられていません。ここは、面倒でも気合いを入れて頑張るしかありません。

STEP4・カイザーゲージを使って調整を発展させる

[3]までの調整を根気よく行った後、今一度、モノラル演奏のソフトを左右片Chずつ鳴らし比べてください。どうですか?左右のスピーカーの音質・音色の違いは、納得ゆくレベルに達していますか?もしまだ納得できないようなら、さらに追い込む方法をお教えしますが、ここまでの調整ですでに集中力を使い果たしているはずですから、ここから先の調整は「しばらく日を開けて、やる気十分になったとき」に行われることを強くお薦めします。そうしなければ「良くなったはずという強い思いこみ」によって「全ての調整を台無しにしてしまう」ことがあるのです。「思いこみ」は聴感に非常に強い作用を与えます。くれぐれも注意しなければいけません。
まず、今のスピーカーの位置を床にテープを貼るなどの方法で「必ず正確にマーキング」します。そして、そのマークの位置から一度に大きくスピーカーを動かさないように注意しながら、[1]と[2]が両立し、さらに左右のスピーカーで別々にモノラル演奏を聞いたときの音が「ほとんど同じ」に聞こえるように、スピーカーの位置を追い込むのです。
この時、スピーカーの移動に「カイザーゲージ」を併用すると面白い結果が得られるかも知れません。私はまだ実験していませんが、「マークの位置」からスピーカーを動かすときに「カイザーゲージの周期性」を使用して「波動の谷(音が重く感じられる位置)」と「波動の山(音が生き生きと感じられる位置)」を「見いだす」事ができれば、それ以後のスピーカー位置調整の「試行錯誤の時間」が一気に減少する可能性があります。また、「カイザーゲージを使う」ことでそれまでは発見できなかった「さらなるベストポジションを発見」できるかも知れません。調整の初期の段階から「カイザーゲージ」を利用しても良い結果が得られるかも知れません。ただし「数字だけを信じて聞くことを怠る」ことだけは絶対にやめて下さい。「絶対的な指標となる数値が存在しない」以上、「実際に音を聞いて確かめる」のが、原始的に感じられても最も理に適った方法なのです。

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