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実践法 機器に付いた細かい傷を除去し光沢を取り戻す方法

鏡面仕上げの製品のメンテナンス方法

オーディオ機器には、「鏡面仕上げ(ぴかぴかに磨き上げられた鏡のような表面仕上げ)」が施された製品があります。「鏡面仕上げ」は、塗装後表面を「丹念に磨き上げたもの」や「光沢のある塩化ビニールシート/パネルを貼り付けたもの」などがありますが、何れも他の仕上げに比べて「表面の傷」が非常に目立ちやすく「使用中」に、あるいは「購入したときから」すでに「表面に細かい擦り傷が見える」ことがあります。
この「傷」や「指紋による汚れ」は、通常の「クリーナー」で拭っても取れません。取り除くためには「コンパウンド」と呼ばれる「研磨剤」が入った「傷取り併用クリーナー」を使用します。
しかし、「鏡面仕上げ」を通常のコンパウンドで研磨すると「かえって傷を付け」てしまいます。下記のような製品は使用しないで下さい。

アクリル磨き テッシュペーパー
使い方が難しく下手にすると表面に「曇り」が生じるなどオリジナルより鏡面性が低下してしまいます。 細かい傷が付きます。タオルでも拭き傷が付きます。ハイテク繊維は、新品の間は、使えますが、汚れてくるとクロスに付着したホコリなどによって傷が付きます。
アルコール 激落ちスポンジ
揮発性溶剤は使わないでください。塗装の表面が劣化して曇りを生じます 表面に細かい傷を付け、白い曇りを生じさせます。

「表面の美しさ」を損なわないためには、「鏡面仕上げに対応する超極細研磨剤」が採用された「特殊なクリーナー」が必要です。中でも優れているのが、模型用のクリアパーツを磨くための「研磨剤」と「クリーナー」のセットです。
他にも良い物はあるかも知れませんが、(株)ハセガワ製セラミックコンパウンド TT-25 1,200円 ・ コーティングポリマー TT-25 1,200円 ・ スーパーポリッシングクロス TT-23 1,000円(各税別定価)がお薦めです。最寄りの模型店で入手可能だと思います。入手が難しい場合には、弊社までご相談下さい。


  • 右:セラミックコンパウンド・超極細研磨剤。
  • 左:コーティングポリマー(表面保護と艶出し効果があります)
  • 奥:超極細繊維スーパーポリッシングクロス。
適当な大きさに切って使います。

シルコット:全国の主要なコンビニなどで簡単に入手できます。繊維が柔らかく、さらに「使い捨て」なので表面に付着したホコリなどで傷を付けることもありません。文字通り「繊維かす」も残しません。コストも安くお薦めです。レイカなどのクリーナーと併用してCDやDVDソフトの表面を拭うときにも適しています。


AUDIO-PRO IMAGEシリーズを使った実例

AUDIO-PROのIMAGEシリーズは「音の良さ」で逸品館がお薦めしているスピーカーです。IMAGEシリーズの仕上げは「ピアノブラックの鏡面仕上げ」ですが、傷に弱く「新品でも輸送中に梱包材と干渉して擦過傷が付いてしまっている」場合があります。
弊社の「掲示板」でもこの「傷についてお客様からの指摘」を頂戴致しましたが、海外では「この程度の傷は、製造中や使用中に普通に付く程度の傷」との認識され、「クレーム」の対象とはされないのが普通なので、IMAGEシリーズのような低価格品のみならず主力メーカーの輸入オーディオ品でさえ、同様の状態にある場合があります。
しかし、日本人はこういった「傷」に対する「要求」が海外に比べて非常に強いため、最近では海外製品も「日本向けの商品」に対しては、傷などの品質管理を一段と厳しくして対処しているようです。
すでに納品させて頂いた「IMEGEシリーズ製品」に「傷が目立つ」と感じられる場合には、弊社までご連絡下さいませ。上記の「研磨剤」と「クリーナー」を小分けして、「無料」でお送りさせて頂きます。

では、IMAGE40を実例として作業に取りかかりましょう。

前面のサランネットを外した状態。「新品」ですが梱包の緩衝材でスピーカーの上部が若干白くなっています。(画面中央は、スピーカーをさわったときに付いた指紋ですが、指紋ですらこれくらい目立つ光線の位置で撮影しています。もちろん実際には、こんなに酷くありませんのでご安心下さいませ。)

  1. 作業を始める前に、硬いホコリが本体とクロスに付いていないことを確認します。シルコットで事前に軽く拭っておくとなおよいでしょう。
  2. ホコリなどの付着を取り除いた後、セラミックコンパウンドで磨き込みます。傷の部分だけを磨くと光沢にムラが出来てしまうためやや広めに磨く様にします。事前に目立たない底面等でお試しになり、ポイントを捕まれてからの作業をお奨めします。
  3. じっくり時間を掛けて磨き込むのが、綺麗に仕上げるコツです。
  4. 研磨が終わったら、コーティングポリマーで仕上げます。ポリマーは、薄く塗りのばしていきます。ポリマーで仕上げると表面に皮膜をつくるだけでなく、塗装内部まで浸透して表面そのものの耐久性もアップし、帯電防止効果があり美しさも持続します。
  5. 作業後は、光沢が増し傷もほとんど目立たなくなります。(注意:打ちキズや、深い引っかけ傷は上記の行程ではとれません。)
  6. 加工後、表面が非常に滑らかになっており、滑りやすいのでご注意下さい。