SHARP XV−Z90
vs
PLUS−VISION PIANO AVANTI

2001年に世界で初めて家庭用として発売されたDLP方式シアタープロジェクター“PLUS−VISION PIANO”を皮切りとして2002年には、ヤマハ・プラス・シャープ・マランツの4社がそれに追従する形で同方式のシアタープロジェクターが市場に投入されました。

中でも、2002年10月に発売された“SHARP XV−Z90”は、画素数が800×600ドットと“PIANO”の848×600ドット”と同クラスで、価格は“PIANO”よりも割安に設定されています。そこで、この2機種の画質を較べてみました。

左側が、SHARP XV−Z90XV
姉妹機種に音声と画像を無線で飛ばせる
XV−Z90S(AVワイヤレス受信機能)があります。

右側が、PLUS−VISION PIANO-AVANTI
外形寸法はPIANOがかなり小さ目です。

左・XV-Z90、右・HE-3200
XV-Z90
のリモコンがバックライトが点灯し豪華です。
HE-3200
用は蓄光キーボタンと簡素です。

スペック比較 

メーカー

SHARP

PLUS

形式名

XV-Z90

HE-3200

投影方式

単板DMD方式

DMD

サイズ

0.8

0.67

画素数

800×600

848×600

ズームレンズ

1.2倍マニュアルズーム/フォーカス

投影距離m

4:3

80インチ 2.53.0
100
インチ 3.13.7

80インチ 2.63.0
100
インチ 3.23.8

16:9

80インチ 2.73.2
100
インチ 3.44.1

80インチ 2.73.1
100
インチ 3.33.9

光源

150wSHPランプ)

130w(高圧水銀灯)

明るさ

600ANSIルーメン

450ANSIルーメン

騒音レベル

32dB

コントラスト比

1200:1

700:1

外形寸法(mm

368×327奥行×154高さ

235×198奥行×91高さ

消費電力

200w(スタンバイ時0.6W以下)

200w(スタンバイ時18W以下)

スペックでは、画素数を除きXV-Z90が優れています。

HE-3200画素数は横ライン848画素と一見中途半端なようですが、これはアスペクト16:9の投影時に画素数を効率よく変換する(848×480)ためのこだわりです。
アスペクト4:3の投影時には、横方向の48画素は使われず、SHARPと同じ800×600画素が使用されます。そのため“PIANO”では、16:9の投影と4:3の投影では「画面の幅」が変わります。

機能比較

SHARP XV-Z90

PLUS HE-3200

起動
XV-Z90
は電源オンから15秒後に起動中の標示になり
だんだん明るくなりながら約50秒で画面が映ります。
HE-3200は
電源オンから15秒後にオープニングタイトルになり
だんだん明るくなりながら約60秒で画面が映ります。
終了
XV-Z90
は電源OFF30秒後に表示が消え、約130秒でファンが止まります。
HE-3200は電源OFFと同時に画面が消え、ファンの音が大きくなり約60秒後静かになりますが、
ファンは止まりません。止めるには本体前面の電源スイッチを切る必要があります。

投射角の関係
黄色い線がレンズの中心光軸です。
XV-Z90は本体レンズ左上のダイヤル(写真左上)を回すと光軸を中心に上下1画面分の光学式調整(レンズシフト)が可能です。
HE-3200はオープニング画面の表示の様にソファーの低いテーブルに置いて投影するのに最適な上向き光軸になっています。

一見便利そうなレンズシフト機能ですが、低い位置や高い所から投影しようとすると調整幅が狭く意外と使い辛いのに気づきます。
特に天吊りにする場合にはスクリーン上端までプロジェクターを下げなければ、光学式調整の幅からはみ出してしまうので、天井近くにプロジェクターを取り付けるためには、結局デジタル台形補正をおこなわねばならず、これでは折角の高画質追究の光学式調整機能が全く生かされません。
他メーカーのレンズシフトの調整幅も似たようなものです。天吊りにする場合には、レンズシフトのない“PIANO”のような方式が便利です。

チルト台
XV-Z90(左)標準装備 ・ HE-3500(右)オプション10,000
本体とのデザインバランスはXV-Z90が良いが、固定時にズレやすい。
HE-3200
用が締め付けて固定するタイプなので微調整が容易で使いやすい。

入力端子
XV-Z90
 色差入力(RCA×3)・S端子・コンポジット・D-Sub15Pin・RS-232C
(写真はXV-Z90SXV-Z90は音声入力はありません)
HE-3200
 色差入力(RCA×3)・S端子・コンポジット(色差入力 Yと兼用)・D-Sub15PinDVI-D

ランプの光漏れとファンノイズ
両機とも前方左斜めから光が漏れています。
XV-Z90はファンの奥に遮光板が入っています。
開口部が広く眩しくはありませんが
HE-3200より漏れは目立ちます。
騒音レベルは同じ32dBと静かですが、XV-Z90のほうがダクト状の構造のためか
やや耳につきます。

メニュー画面
派手なXV-Z90は初心者にも判りやすくしてあります。
HE-3200
PLUSは元々データプロジェクターから出発しているメーカーのためか
簡素でわかりやすいメニューです

本体操作部
XV-Z90はリモコンが無くてもフル操作が可能です。
HE-3200
は電源オン/オフとアスペクトの切り替え・ソースの入力切替のみとシンプルですが、
これは、“PIANO”の開発時に、逸品館が進言した
「本体ボタンをできるだけ減らし女性にも使いやすいデザインを!」
という願いが叶えられた結果です。
(商品開発時にメーカーが販売店に意見を求めることは、水面下で行われています)

画像の比較

XV-Z90

HE-3200

XV-Z90は全体に黒っぽく、輪郭がクッキリしているのが印象的です。

XV-Z90は色乗りはあっさりしているようで、原色系の色はクッキリしています。
HE-3200は発色が自然で、なおかつ暗部の表現もきちんと出ています。

両者随分印象の違う発色です。
XV-Z90はTV調、HE3200はシネマ調です。

奥の窓の斜め格子の表現や字幕の輪郭をみると、フォーカスが異なるのがわかります。
ここでもやはり、XV-Z90はTV調でHE3200はシネマ調です。

ハイビジョン画像 A

ハイビジョン画像 B

ハイビジョン画像 C

ハイビジョン画像はどちらが良いか?、難しいところです。
XV-Z90は、クッキリ・ハッキと見やすい反面
粒状(ドット)感が目立ちます。
HE3200は、粒状感は目立ちませんがその分甘く見えてしまいます。

画素の目立ちやすさを比較(粒状感の比較)

ハイビジョンのD-VHS録画画像を入力しました

800×600画素・液晶(E社製・参考)

XV-Z90

HE-3200

同クラス(800×600SVGA)のドット拡大比較。
E社製の液晶タイプが一番よく網目がハッキリ見えています。
XV-Z90、液晶ほどではありませんがDLPにしてはドットが目立ちます。
HE3200は、ほとんどドットが目立ちません。

画像の輪郭を強調するとクッキリし、映像の解像度が上がった様に見えますが、
上の拡大画像を見ると、基本的な情報量はまったく変わらないのがよく分かります。

SHARPのXV-Z90は元々ホームシアター用の液晶プロジェクターを作ってきた家電メーカーなのでデザインや使い勝手の良さは手馴れた感じがします。HE-3200の業務用的な感じとは対照的です。
この画像比較で気がつくのは、600ANSIルーメンのXV-Z90よりも450ANSIルーメンのHE-3200の方が明るく感じられる事です。(参考のE社製は700ANSIルーメン)
同じDLP方式でも画素間の格子が黒く出ているXV-Z90が暗く感じ、画像も全体に黒っぽいのもそれが影響していると思われます。
XV-Z90は原色の発色に優れ、中間色は控えめでスッキリしたTV的な映りが特徴です。
HE-3200は色乗りが良くこってりとしています。やや派手目に感じられる場合には、調整で抑えた方が良いかも知れません。
DVDの映画を見た場合は、最新の映画のメリハリの有るアクション系はXV-Z90の相性は良さそうです。
逆に、少し古い映画の質感は圧倒的にHE-3200の方が雰囲気良く表現します。
店頭で接客していると多くのお客様は、「パッと見たときは、HE-3200に較べXV-Z90のクッキリさに目が奪われXV-Z90が良く感じられるが、時間をかけて見比べて行くと粒状感のすくないHE-3200の方がビデオプロジェクターで投影している事を感じさせず、自然に感じられて良い」仰います。
実際に見比べられた結果、HE3200を選ばれるお客様が多いのも事実です。
付け加えるなら、このクラスのプロジェクターに組み合わせるスクリーンは、ワイド90インチ以下の場合が多く、試聴距離を考慮しても粒状感が少なく、飽きのこない高画質を実現しているHE3200を逸品館ではお薦めしましたいと思います。

比較評価

 

XV-Z90

 HE-3200

明るさ

3

3.5

ドット感

3

5

解像度感

4

3

発色

3

4

使いやすさ

4.5

3

値ごろ感

4.5

3

評価5段階 (平均3)

2002年12月10日  テスト担当 岡田 克彦

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