PURIST AUDIO DESIGN (PAD)

PAD社の製品は、以前アメリカ国内価格の3〜6倍という法外な価格で販売されているという噂が流れていたことをご存じの方も多いと思います。また、「某販売店では、20万円のミニコンポに100万円のPADケーブルをローンで売りつけている」など、よからぬ噂が多かったのと、発売されている製品にも「ケーブルのジャケットに光を通して音質を向上させる」ものがあるなど、そのテクノロジーに関しても納得できない部分が多く、逸品館では発売を見合わせていました。

しかし、昨年、輸入代理店のCSフィールドが販売方針について「PADの音をわかってもらえる人にだけ、わかってもらえる専門店から出荷する」という方向を明確にしたため、取扱店が一気に減少しました。そのため、日本橋でも、現在メジャーな専門店で「PAD製品」を主力として販売しているお店が少なくなりました。

日本橋で取り扱っているお店が減ったからと言う理由もありますが、私自身「PAD製品の音質」には、一目置くところがありましたし、修理などのアフターサービスもきちんと行われていることは、中古品の修理などで度々お世話になって確認できていましたから、これを機会にPAD製品を試聴し、自分の店で扱うべき商品なのかどうかを判断することにしました。

また、逸品館も今までは、「私自身の見解でお薦めする商品をピンポイントに絞り込んで販売する」という販売方針を貫いてきましたが、お客様数、社員数の増大と共に、「専門店として、商品の選択範囲を広げる必要がある」と考え始めました。

もちろん、いくら雑誌や評論家が褒め称えていても、「音が良くない製品」・「納得できないほど馬鹿高いと感じる製品」・「売りっぱなしでアフターサービスをきちんとしないメーカーや輸入代理店の商品」は、販売しても、いずれ客様の失望を誘うことになるだけですから、今後とも一切取り扱うつもりはありません。

現在、国内で販売されるPAD製品は、日本向けの特別仕様品で、アメリカ国内では入手できないと言うことです。(PADの粗悪な中古品にはご注意ください)

ISTARU(イスタール) スピーカーケーブル / 1.5m  標準価格¥193,000(Pair)

しっかりした、かなり重いケーブルです。
小型のスピーカーやアンプは、ケーブルの重さで後ろにずれてしまうでしょう。

白い紙箱に、布で覆われて入っています。
「高級感」を感じさせる演出が上手です。

音質
スピーカーケーブルなどの音質テストは、環境による「マッチ」・「ミスマッチ」がありますから、「高いところから断定的なことは言う」のは感心しません。
特に、このような高額商品では、私のような立場で「音質を断定」してしまっては、「百害あって一利無し」となってしまうかもしれませんが、少しだけ印象を述べさせてください。
とにかくレンジが圧倒的に広く感じられます。高域のヌケと、透明度。低域のヌケと実在感、厚み。あらゆる要素が大きく改善します。
立体感が増し、空間情報が著しく増加します。それていてモニター的にならないところが、PADの従来からの持ち味です。
もちろん、価格を考えれば「普及価格帯のケーブルとは、圧倒的な大差」がなければ困りますが、「目的を明確にした、厳しいヒヤリングを経て作られた製品」であることが、一聴して感じ取れます。
音質傾向は、ややウエット。音楽の表情は、ニュートラル〜やや明るめの音調です。
中域が充実していますが、この充実感にPAD独自の音作り(癖?)のようなものが感じられました。
この傾向は、従来のPADの音作りを継承していると思いますが、よりリファインされ、「癖」というよりは「隠し味」に近いレベルに昇華しているように感じました。

テスト終了後、PAD輸入代理店の今井社長とお話しをしました。
私が感じた「特有の癖」は、特殊物性処理を施しているため、新品段階で強く感じられるものだと言うことです。
50〜100時間を経過すると、急速に音がこなれ、バランスが良くなってくると言うことでした。

これは、AIRBOWのDCT処理パーツと非常によく似た傾向です。DCT処理を施したパーツは、通常のパーツに比較するとその初期に音が硬く、輪郭が強すぎる傾向が強いため、音の深みが足りなかったり、ハーモニーが分離して感じられたりする場合があります。

今回テストしたPADの製品も類似の傾向があり、エージング終了後急速に音がなじむという説明は十分納得できます。
クォリティー的には、しっかり出来ていると思います。
ISTARU(イスタール)RCAケーブル / 1.0m  標準価格¥138,000

音質
スピーカーケーブルと共通の特徴を持つ音質です。
やや、明瞭度・解像度感が強調される感じがあります。その強調感により、ボーカルが主役となりグンと前に出て、脇役の楽器などが後ろに下がる感じがあります。
(エージング終了後はどのように変化するのか楽しみです)

全体的に、低域より高域のエネルギーが強く、母音よりも子音が強められる傾向があります。そのため、ボーカルや楽器に近づいたような印象を受けます。
クォリティー感を強く感じますが、エージングが終了すれば、そのクォリティー感が消え、演奏者の気配が感じられると思います。とにかく非常に歪みが少なく、瑞々しい音質と言う印象を受けました。
音楽全体を聞かせるのではなく、ステージにスポットを当て、主役を強調するようなイメージの音作りがなされていると感じましたが、それもエージングがすむと変わるのかも知れません。
ISTARU(イスタール)電源ケーブル・15A / 1.0m  標準価格¥56,000

ブルーの布製のケースに入っています。

音質
やや高域上がりの、明るい音です。子音が明瞭に再現されるので、英語が英語らしく聞こえます。
輪郭をクッキリ出し、明瞭度を強く意識させるバランスですが、音調が優しいのできつくなりすぎず、切れ味が良いという印象を受けます。
高域のエネルギーが低域のそれに較べて明らかに強く、その癖を強く感じるケーブルなので、好き嫌いがハッキリ別れそうです。
アコースティック系の弦楽器を、切れ味よく出したいときに特効薬になるケーブルだと思いますが、調子に乗ってすべてをこの電源ケーブルで揃えたりすると、癖が強くなりすぎて、しっぺ返しを食らうような気がします。
価格なりのクォリティーは、十分に感じられましたが、電源ケーブルに関しては、他製品より癖が強いので十分に吟味してから、購入を決めて欲しいと思います。


私なりの見解  
PADには独自の世界があり、それを「好むか否か」で、製品の評価は決まると思います。
製品の音質も完全に統一されており、情報量も多いですから、気に入れば絶対に文句は出ないと思います。(それはAIRBOWも全く同じです)
製品の梱包、製品自体のクォリティー、ロゴマークなどのデザインの統一性も考えられており、PADというひとつの世界を隙なく作り上げた、「ブランド製品」だと言うことを強く意識させられました。

今回テストした製品は、すべて新品の状態だったので、PAD本来の性能を発揮していなかった可能性が高いようです。

今までの経験から、今回テストしたPAD製品のように、高域が強めで透明度や解像度感が過剰な場合、それらはエージングで嘘のように解消するケースが多く、たぶんこのまま聞き続ければ、さらにニュートラルな音質になると想像します。

このままニュートラルになるとすれば、AIRBOWが目指す「ピュア・サウンドの世界」と「PADのサウンド」には、大きな類似性があると感じています。

PADの取り扱いを開始します。
2002年4月22日より、PAD製品の取り扱いを開始します。
PAD製品は聞いてから購入できる!
PAD製品の高額商品は、事前に自宅で試聴した上で、購入の可否を判断頂けます。
高額製品のご購入をお考えの場合には、逸品館にて試聴申し込みを承ります。