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ESOTERIC DV−50 と MARANTZ SA−12S1との聴き比べ
ESOTERICから、SACD/DVDオーディオマルチに対応した「DV−50」が発売されたのを機に、逸品館一押しの音の良いSACD/DVDプレーヤー「SA−12−S1」との音質を比較してみました。

使用機器
 | ESOTERIC DV−50 |
 | MARANTZ SA−12S1
 | 共に標準インシュレーターの下にAIRBOW WOOD−BOY紫檀を使用 |
 | 電源ケーブルは、AIRBOW CPSC−Lを使用 |
 | デジタルケーブルは、AIRBOW MSD−120を使用 |
 | アナログケーブルは、清原オリジナル(非売品)を使用 |
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 | AVアンプ:AIRBOW PS7200Special |
 | フロントスピーカー:B&W CDM−9NT(AIRBOW・フェイズプラグFP−Cuを使用) |
 | センタースピーカー:AIRBOW IMAGE11/KAI |
 | リアスピーカー:ウィーンアコースティック T−3 |
 | スーパーウーファー:PMC TLE1 |
 | ディスプレイ:SONY PVM−9040(9型CRT・業務用カラーモニター) |

CDの音質
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槇原 敬之
HOME SWEET HOME |
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演奏したトラック:5曲目と6曲目 |
CD(アナログ出力)の音質
 | DV−50
DV−50のCD再生は、デジタルフィルターの切換により次の3種類が選べるようになっています。
「RDOT:16倍オーバーサンプリング/705.6KHz(サンプリング周波数)」
「FIR:8倍オーバーサンプリング/382.8KHz」
「RDOT+FIR:32倍オーバーサンプリング/1411.2KHz」
それぞれモードでの音質を聴いてみました。それぞれのモードにより音質の傾向に差は出るものの音質や音楽性は、SA−12S1を除けば、現在発売されている国産DVDプレーヤー中では、ダントツの素晴らしいものでした。
 | RDOTモードの音
X−30と類似性のある、厚みがあり穏やかなサウンド。
暗騒音が少なく静かな印象。
音の芯がしっかりしていて、楽器の表現に説得力がある。
ただし、ボーカル帯域は少し靄がかかったような曇りを感じられ、この部分ではD3などと共通するESOTERIC独特の艶を引き継いでいる。
直接音と間接音のバランスはこのモードが適正。
低音の厚みと表現力は、このモードが一番良かった。 |
 | FIRモード
一番癖のない、スッキリとした自然な音。
空間が広くなるが、その分やや密度が薄く感じられる。
強調感がなくなるため、ピアノのエッジがやや甘くなる。
RDOTモードより、高域が自然に抜けるようになり、ボーカルの曇りが少なくなる。
演奏の雰囲気は、このモードが生に一番近い。 |
 | RDOT+FIRモード
処理が複雑になりすぎるためだろうか、聴感上の音数が減り、空間も狭くなる。
直接音より間接音が多くなり、エコーがかかったように聞こえる。
音がもやついて閉鎖的にチョボチョボ鳴っている感じで、好きになれなかった。 |
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 | SA−12S1
SA−12S1の音質については、すでにマルチメディア・プレーヤー比較で述べたとおり、繊細で温かみのある、いかにもフィリップスが作った「違いがわかる人のための良い音」のお手本のようなヒューマンなサウンドです。
DV−50を聴いた直後では、一瞬やや線が細いと感じられましたが、それは間違いでDV−50の中低音が「オーディオ的な厚み」たっぷりだったせいです。しばらく聴くと、やや薄味に感じるこちらが本物の音だと気付きました。特徴的だったのは、DV−50よりもゆったりと時間が流れているように感じられたことです。私にとってAIRBOW以外で唯一これは聴いていたいと思わせる非常に高いレベルの「音楽性」の完成度を感じさせる、音楽を知る大人のためのプレーヤーと言えるでしょう。
この製品には、背面に「高域遮断フィルターの切換スイッチ」が備わっています。このフィルターの動作周波数は、回路図から計算すると約80KHz以上とCDには全く無関係な高い周波数です。
しかし、実際にはスイッチを操作すると、フィルターだけが切り替わるのではなく、内部の回路ごと切り替わるため、スイッチを切り替えると、SACDだけではなくCDの音質も変ります。
各フィルターのポジションごとの音質をテストしました。
 | フィルターポジション:スタンダード
柔らかで深みがあり、音楽の表現が非常に深い。
ボーカルと楽器の立体感が大きく、声のヌケも良い。
Dレンジが非常に大きく、音楽が開放的に鳴る。
低域もしっかりしている。
あらゆるジャンルの音楽を、心地よく聴かせてくれる。 |
 | フィルターポジション:カスタム
表現がさらに豊かになり、音が深くなり、演奏者の気配がジンジン伝わってくる。
楽器とボーカルのバランスは、非常に生に近い。
反面、高域がやや伸びすぎる感じがあり、ややシャリついた傾向の音になる。
ベールが完全に剥がされた感じで、ソフトのアラがハッキリ出すぎる感じがある。
長時間の視聴では、やや疲れるかも知れないが、最高の状態で録音された生演奏(ライブ録音盤)などは、このモードで聴く方が良いと思われた。
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CD(アナログ出力)の総合評価
DV−50は、音の良さを狙いすぎて「音楽性がお留守になってしまう」ことの多い国産機の中にあって、「上手く音を聞かせながら」も「音楽を聴かせること」を忘れていないバランスの取れたモデルです。
明るく、中音が太くが豊かで「音楽をボリュームたっぷりに聴かせる印象」で、音楽を楽しく聴くことが出来ます。特に、低域の押し出しの強さが印象的で、JAZZやPOPS、ROCKなどの「電気楽器が多く使われている音楽」にはベストだと思われます。
クラシックでは、中低域の豊かさにより「チェロ」や「コントラバス」の色気が非常に濃く再現されます。決して嫌な音でも、押しつけがましくもないのですがなによりも自然な音が好きな人には、ほんの少し演出過剰気味かもしれません。
RDOTモードの音質はX−30との、FIRモードの音質はX−25との類似性を強く感じます。ただ私には、VRDSメカを採用していないDV−50の方が、XシリーズのCDプレーよりも素直な音だと感じられました。
対する、SA−12S1は、今更誉めるまでもなく非常にいい音で単体で30〜50万円を超えるCD専用プレーヤーでも、ここまでいい音の製品は少ないでしょう。
DV−50と比較すると、中高域のヌケと透明度が抜群で、繊細で柔らかく、高域の倍音が綺麗に伸び、良い楽器の音、良い演奏の良さが際だちます。アコースティックな演奏や、良い録音のソフトをかけると本当に音楽の雰囲気が良く出てきます。
DV−50よりもソースに対して厳しく、演奏の善し悪しをきっちりと出してきます。録音の悪いJ−POP(特にCCCD)などは、このプレーヤーにはそぐわないタイプの音楽です。同じ、J−POPでも槇原敬之やミスター・チルドレンのように音楽的にも録音も丁寧に作られたソフトをかけるとDV−50よりも音楽性の深さを感じ取れる音質で再現されます。本物志向の音楽ファン向きの「大人の音質」です。
CDプレーヤーとしても非常に優秀な音質のSA−12S1は、今お使いのCDプレーヤと買い替えるつもりでCDの音だけを重視して買っても良かったと心から思えるはずです。
CD(デジタル出力)の音質
 | DV−50
ベースモデルがPIONEERの747Aとは、全く信じられないほど細やかで厚みのある音を聴かせるDV−50のデジタルアウトの音質は、繊細で広がりが豊か、特に低音の厚みは他製品では類を見ないほど素晴らしい。
PIANOの低音に混濁して隠れがちなベースやチェロの音などが「ハッキリと分離して際だって聴きとれる」ほど、本当に低域方向は伸びやかで解像度が高い。
従来のVRDS製品のように、ごりごりとした作られたような硬さはなく、音楽的なまとまりが非常に高い。
買い替えてすぐ「音が全然違う!」と驚くような「オーディオ的面白さ」を持っている。
極端に言うなら、DV−50にすると「サブウーファーを付け加えたの?」と感じるくらい、低音の量感と伸びが改善されるだろう。
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 | SA−12S1
音質(音のクォリティー)的には、双方甲乙付けられない。
「低域が面白いほど改善されるオーディオ的驚きと楽しみを感じさせるDV−50」に対し、「中高域の透明度と繊細さが圧倒的で、温かみと深みのあるSA−12S1の大人の雰囲気」は捨てがたいものを感じられる。
POPS・ROCK・ハードなジャズ・フュージョンにはDV−50が、クラシック系のソフトや穏やかなジャズバラードなどには、SA−12S1に抗しがたい魅力を感じる音楽ファンは少なくないだろう。
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CD(デジタル出力)の総合評価
クッキリ感でまさるDV−50の解像度がややSA−12S1を上回り、音楽の深みではSA−12S1がややリードしている感じです。どちらの製品を選んでも、きっと支払った代価以上の満足感が得られるでしょう。

サラウンドの音質(DTSとDDをデジタル出力にて比較)
使用ソフト:DTSデモディスク・スターウォーズエピソード1
サラウンドの音質は、CDのアナログ出力やデジタル出力で得られる音質と傾向はほぼ同じです。
DV−50をトランスポーターにして、同軸デジタル接続でPS7200Specialに接続して聴く、DTSやDDの音質は、先行発売されているDENONやTOSHIBAの製品とは全く違うレベルに到達し、現行のDVDプレーヤーの中ではダントツの音のきめ細やかさと中低域の厚みが感じられる素晴らしいものです。
やはり、鳴り物入りで登場したDV−50の「トランスポーター部の性能」は、ただ者ではない!と感じました。
どちらも空間の広がりは抜群です。最新の映画ソフトに関しては、迫力のある低音の表現力においてDV−50が勝り、SA12S1よりもそのダイナミックさの表現では、かなり有利だと感じました。
逆にSA−12S1は、「マイフェアレディ」・「カサブランカ」・「風と共に去りぬ」などの、往年の名画の「名シーン」の「見せ所」・「泣かせどころ」に関しては、音楽的表現力の深さが奏功して、「セリフの生々しい表現力」でDV−50に差をつけるでしょう。
DV−50は「やや作られたいい音」・「わかりやすいいい音」で、ビギナー向きの音作りと言えるでしょう。
SA−12S1は「自然ないい音」・「深みのあるいい音」で、音のわかる玄人、プロフェッショナル向きです。
どちらにしても、双方共に非常に高いレベルにありますから、サラウンドを楽しむためには、どちらをとっても絶対に後悔しないと太鼓判を押せます。

SACDの音質
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マイケル・ジャクソン
スリラー
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演奏したトラック:1曲目と4曲目 |
 | DV−50(SACDステレオ)
トランスポーター部を特に入念に改良をしているDV−50は、はっきり言ってベースモデルのS747Aの面影もないほど全く別物の素晴らしいクオリティーに到達している。
CDの再現と同じようにSACDも特に低域方向の充実感が素晴らしい。メリハリがしっかり効いた中高音とパンチのある低音のコンビネーションが抜群で、音楽を明るく楽しく聴かせてくれる。
パーカッションは弾むようにリズムを奏でる。中低音にがっしりとした厚みがあり「POPSを楽しくノリノリに表現」してくれる。
低音重視の機器にありがちな中高域が曇ることもなく、透明感・立体感も十分にあるクリアなサウンド。
スリラーのオープニングでは、CDでは決して聴くことの出来ない「細やかな音」と「広大な音の広がり」が感じられた。
それら「楽器の音」に較べると、ボーカールの表現は割と普通。
S社のSACDと較べても、立体感、色彩感、音楽性、あらゆる部分で上回るはず。 |
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SA−12S1(SACDステレオ・フィルターポジション:スタンダード)
SA−12S1も音の広がりや細やかさは、DV−50同様非常に優れている。
音の分離感と広がり感は、こちらのほうがより自然。
低域は、DV−50ほどの厚みや押し出しはないものの軽くリズミカルで、切れ味(リズムの軽快さ)はこちらの方が上手。
Dレンジが大きく、ボーカルの表情はDV−50よりもニュアンスが良く出てくる。
音楽的なドラマチックさ感動の大きさは、こちらの方が豊かでなおかつ深い。 |
 | SA−12S1(SACDステレオ・フィルターポジション:カスタム)
高域がさらに明瞭度を増し、パーカッションの倍音が上限なく伸びる。
しかし、あまりにもリアルすぎて、ソフトに録音されている「高域のノイズ?」のような部分まで再現されるのか?ややハッキリしすぎて聴き疲れする。
このソフトに関しては、フィルターのポジションはスタンダードがお薦め。 |
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スローライフへの誘い
バリ・ガムラン / XSGL1
SACDマルチチャンネル録音
左はCDで右がSACD
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演奏したトラック:1曲目・2曲目・3曲目 |
 | DV−50(SACDマルチ)
SA12S1に較べると空気感がやや乏しい。空気(場の密度・気配感)が薄い。
見通しが狭い・細かい所が再現されない・Dレンジが狭い・金属を叩く音が単調・楽器の音の強弱の変化が弱い・音楽的なまとまりにいまいち欠ける・・・などとこのソフトに関しては、POPSほど良い面が出てこない。
ただし、それはあくまでもSA−12S1があまりにも良くできすぎているためで、DV−50だけ見れば他のSACDプレーヤーを圧倒して余りあるほど十分な高音質が実現されているのは事実。
低音はリアルで、押し出しが強い。やはり生楽器よりも電気楽器系の音楽にマッチするようだ。 |
 | SA−12S1(SACDマルチ・フィルターポジション:スタンダード)
DV−50と較べると、音場が広く・透明度が高く・音楽の表現が静かで深い。
ちょっと前のステレオサウンドに掲載された、AIRBOW・CD−1のインプレッションに「幽玄を感じさせる」という表現があったが、まさにその言葉をこの製品に贈りたい。
生楽器の表現力は抜群。ナチュラルで本当に生々しい。楽器の倍音構造が非常に正しく再現される。
民族音楽のような歴史ある「芸術」を再現するには、音楽的な表現力の深さと正確さでDV−50を完全に圧倒する。これがPHILIPSの凄さだと納得。 |
 | SA−12S1(SACDマルチ・フィルターポジション:カスタム)
圧倒的な高域の伸びやかさと、楽器の音色の多彩さ!包み込まれるような広大な音場空間の広がり立体感が醸し出す、「生の演奏をそのまま聴いていると錯覚させるほど、圧倒的な音楽の表現力」、これは絶対他のCDプレーヤーやSACDプレーヤーでは聴くことの出来ない、SA−12S1独自の素晴らしい世界。下手な生演奏よりも「音」も「音楽性」も遙かに良く再現される。
特にフィルターポジションをカスタムにして聴く、SACDのマルチは、本当に、本当に素晴らしい。録音エンジニアの音作りとか、再生時のユーザーによる音作りとか、そういったものを全く必要としない、あるいは全く感じさせない、圧倒的なサウンドクォリティー!
音楽の表現はさらに深く深く、どこまでも深く、ガムランという音楽、演奏者の心に刻み込まれた歴史の深淵を感じさせる。
音にならない空気の動き、音にならない演奏者の気配まで明確に伝わってくる。
楽器の音はさらに多彩になり、生々しいというレベルを通り越してまさに「生」のよう。下手な生演奏は、全く太刀打ちできない素晴らしいレベル。
この表現力なら、絶対に音楽(演奏)を誤解することなどあり得ないだろう。
すべてのソフトがこのガムランのような録音であれば(このソフトは、演奏はもちろん、曲の選択、録音自体も本当に素晴らしい!・完全にガムランが何であるかを理解している人達だけで作られている感じがするし、ガムランに対する深い敬愛の想いがひしひしと伝わってくる)・・・確実に音楽文化の発展に大きな一石を投じられるのは間違いない。
このレベルの「演奏の記録」を、是非もっと数多く次世代の音楽家、次世代の子供達に遺すべきだと、心からそう思った。 |
SACDの音質・総合評価
音の細やかさ、音のまとまりでは、基本のメカ・回路を音作りのエキスパート、フィリップスが手がけたSA−12S1がやはり一日の長を感じさせ優れています。しかし、DV−50もSA−12S1以外のSACDプレーヤーでは、初めて納得させられる音を聴かせてくれた素晴らしい製品です。
音質比較だけを見ると酷評しているようにも見えますがそれは間違いで、現時点でSA−12S1を除くすべてのSACDプレーヤーは、遙かにDV−50に及ばないでしょう。
初めて、SA−12S1にとって「ライバル」と言い得るほどの音質を実現したDV−50の音質は高く評価できます。

SACD(2Ch)とCD(2Ch)の音質を同一ソフトで比較
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スローライフへの誘い
バリ・ガムラン
CDステレオ録音
左はCDで右がSACD
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演奏したトラック:1曲目・2曲目・3曲目 |
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DV−50(CDステレオ)
中域が厚くバランスは良いが、やや作られた感じの自然さを感じる。
SACDでは聞こえた虫の声などの環境の音は聞こえず、コーラスだけになるが勢いと厚みはある。
ガムランの演奏が日本人ぽくなる。(カーペンターズをかけても同じ傾向。カレン・カーペンターの英語が日本人の英語のように聞こえる)
中低域は芯があって、バランスも良い。
厚みと色気はあるが、中高域にTEAC独特のやや靄がかかったような曇りを感じる。 |
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SA−12S1(CDステレオ・フィルターポジション:カスタム)
SACDに較べると、その場を取り巻く空気感や環境の音、離れた所で鳴いている虫の声などの微少な音が聞こえなくなる。
コーラスの音が不揃いで人数が少なくなる。うるさくなる。
金属を打ち付ける音が単調で、安っぽい。強弱の階調が明らかに少なく、不足している。
リズムの歯切れが悪くなり、勢いがなくなり、SACDとは一転して音楽が死んでしまった。 |
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SA−12S1(CDステレオ・フィルターポジション:スタンダード)
高域の暴れが抑えられ、シルキーなタッチになる。
カメラでソフトフォーカスフィルターをかけたような感じ。
高域の音が見え過ぎなくなった結果として、逆に音楽が見えてくる。
AIRBOWの音作りにも取り入れているが、「見せない」ことで「想像力」がかき立てられ、「音楽の雰囲気としては逆に深くなる」から不思議だ。
機械で測定するのと、人間が聴くのとでは、答が違ってくるという良い見本のような結果になった。 |

DVDオーディオ(192KHz/24Bit)の音質
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アート・ペッパー
meet The Rhythm Section
192KHz/24Bit
DVDオーディオステレオ録音
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演奏したトラック:1曲目 |
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DV−50(SA−12S1は再生不可)
音源を非常に近くに感じる。わざとらしいくらいだが、それはきっとそういうミキシングをされた録音なんだろう。
低音は凄い!厚みもあるし、押し出しも強く申し分ない!!
高音はややマスキングされ、エコー感が弱い。
演奏はHOTで熱気を感じられるが、ややぱさついた印象。
高域にはしっかりした芯がある。 |
DVDオーディオの音質・総合評価
DVDオーディオの音質は、SACDと同様CDのそれと比較するのは全く意味のない高いレベルに達している非常に素晴らしい音質です。
あえて、DV−50(DVDオーディオ)とSA−12S1(SACD)の音質を比較するなら、音質こそさほど変わりませんが、やはりその音楽性の純度、素直さ、深さでSA−12S1が優れていると感じました。
DVDオーディオにないその「素直さ」こそ、今までは気づかなかった、DSD録音方式の「アナログ→デジタル」変換時に一切の「遮断フィルター」を使わない良さなのかも知れません。
DV−50(DVDオーディオ)もSA−12S1(SACD)も音の細やかさやDレンジFレンジの広さでは、高音質レコードのそれを大きく超えています。
しかし、音楽表現の素直さ、多彩さ、深さでは、DV−50(DVDオーディオ)は高音質アナログにほんの少し及ばないと感じましたが、SA−12S1(SACD)は、その部分においても高音質アナログを簡単に凌駕しています。SACDの本当の音とは、想像を絶するほど凄いものでした。

DVDオーディオ(96KHz/24bit)とCDの比較+PS7200Specialとの比較
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リビングストン・テイラー
ink
96KHz/24Bit
DVDオーディオステレオ録音
左がDVDオーディオ右がCD
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演奏したトラック:1曲目(Isn't She Lovely) |
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DV−50(DVDオーディオ:96KHz/24Bit・アナログ出力)
暖かく、中低域に厚みがある。
ボーカルは、曇りやや厚ぼったい。
発音は、完全に日本人的な英語になる。 |
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DV−50(DVDオーディオ:96KHz/24Bit・デジタル出力)→PS7200Special
音楽が軽やかで明るくなる。ボーカルに表情が出て優しく語りかけるイメージ。
発音は英語と日本語の中間。
ギターなどの音色が美しい。音色が多く、色彩の美しい音になる。語りかけてくるような音。
音楽の強弱がハッキリし、弾んで楽しい。
遙かに好み。 |
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DV−50(CD・アナログ出力)
ある意味このソフトに関してはCDの方が、DVDオーディオよりもナチュラルで生々しい所がある。
発音は、完全に日本語化している。母音は聞こえるが子音のアクセントが弱く、ハッキリしない。
完全に「日本語的な帯域」で作られているようだ。
DV−50を買うのは日本人だから何が悪いの?といわれると言葉を失うが、楽器の倍音や言語のアクセントは、インターナショナルな精度で正確であればあるに越したことはない。 |
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SA−12S1(CD・アナログ出力・フィルターポジション:スタンダード)
DV−50に較べると、高域の倍音の伸びが綺麗。
口笛が生々しく、唇を息が通るときの「高域のノイズ」がきちんと聴きとれる。(これは、英語の「子音」の成分と全く同じところ)
ボーカルは英語になり、子音がきちんと聴きとれる。
子音が聴きとれると言うことは、すなわち楽器が出す音の中の「ノイズ」がきちんと再現されると言うことは、音楽を音楽として正しく成立させるために非常に重要なポイント。フルートで言う「タギング」、楽器の倍音の隈取りにあたる部分(楽器のアタック)が、本当に正しくきちんと再現される。 |
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DV−50(CD・デジタル出力)→PS7200Special
音が自然になる。解像度感は若干スポイルされるが、それも悪くはない。
「音を聞く」ならアナログ出力が、「音楽を聴く」という意味では、PS7200Specialが有利か? |
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SA−12S1(CD・デジタル出力)→PS7200Special
まとまりが良く、非常にナチュラルな音で安心する。 |

画質
画質については、今回業務用とはいえ9インチ・水平解像度250本というプアなカラーモニターしか使用していませんし、入力もS入力での比較と、本当に簡易なレポートしかできませんがご容赦下さい。
 | DV−50
映像回路についてはDV−50は747Aとほとんど違わなかったはずだ。しかし、トランスポーター部の入念な改良により、747Aよりも明らかに違う高画質を実現しているように感じられる。
一見して感じるのは、解像度の高さ(画面の細やかさ)とノイズの少なさだ。大画面で映してみないとわからないけれど、ブロックノイズの発生も少な目に感じられた。 |
 | SA−12S1
解像度はそれほど高いわけではないが、発色が鮮やかで非常に濃い。海外旅行をしているような、色彩の「多彩さ」と「深み」を感じられる。
非常に追い込まれた好感の持てる「ファイン」な絵作りだけれど、DV−50のような最新鋭DVDと較べると、解像度やブロックノイズの処理などには、「古さ」を隠せない。
映像にとんがったマニアが使うのでなければ、国産DVDとはひと味違う、クリアでヌケが良く、色乗りも良い映像は「海外製品の良さ」を十分に感じさせてくれるはず。 |

総合評価
 | DV−50
この製品を音の良いオーディオ機器だと思って買っても、画質・音質の良いDVDプレーヤーだと思って買っても、どちらでも決してあなたの期待は裏切られることはないでしょう。
先行発売された、PIONEER DV−AX10やLUXMANのDU−10はもちろん、DENON DVD−A1やTOSHIBA SD−9500と比較しても、その画質・音質のクォリティーは、比較にならないくらい圧倒的に優れているでしょう。
特殊加工が施されたシルバーカラーのフロントパネルの仕上げも素晴らしいです。
SACDもDVDオーディオも映画も、あらゆるソースを納得できる高品質で再現してくれます。
特に低域方向の音の伸びやかさ、厚みは本当に驚かされるほど素晴らしいので、しいて言えばクラシックよりも現代的なPOPS系の音楽によりマッチするでしょう。
その低域の解像度とパンチ力は、低域の表現力が映画の雰囲気を大きく左右するサラウンドにも生きてきます。
唯一、期待はずれな所があるとすれば...見かけほど筐体が重くなかったことでしょうか。
でも、それですら画質・音質は抜群に良いのですから、良い意味での期待はずれと言えるでしょう。 |
 | SA−12S1
DV−50の登場まで、他に較べるもののない圧倒的な音質の優位性を持っていたSACDプレーヤーでしたが、今回じっくりDV−50と聴き比べることでその「良さ」がより明確にクローズアップされた形となりました。
「熟成」・「大人」・「深さ」・「素直さ」・「静けさ」...そういう表現をいっぱい並べてあげたい音質です。
DV−50とは、あえて言うなら「海外のオーケストラ」と「日本のオーケストラ」の音作りの差と同じようなものを感じます。(一般的なイメージで、もちろん例外は沢山あります)
音楽を「どこまで深く正確に伝えるか」、演奏者の気配を「どこまで深く感じ取れるか」、そういう部分において「PHLIPSの音作り」には、まだまだ学ぶ所が多いと感じさせられる結果となりました。
年末に発売を予定している「SA−12S1/KAI・予価¥385,000」は、この製品の良さをさらに深く、極限まで引き出せる音作りをしたいと考えています。 |
長文を最後までおつきあい頂きありがとうございました。最初は、もっと簡単にさらっとしたレポートにするつもりだったのですが、どちらの製品も本当に良くできていて、その音質にも感じることが多くあり、結果としてこのような長いレポートになってしまいました。
SACDマルチの音質には、一人のオーディオファンとして久しぶりに心が高鳴り、良い音楽に触れた幸せを胸一杯に感じさせてくれました。
2002年10月18日 逸品館・代表取締役 清原 裕介 |